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株式投資と不動産屋の四方山話

【3070】時価総額6.8億円のアマガサ 19年1月期の特損計上により今期は減価償却が軽いが、固定費どうなる。

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女性モノの非皮革カジュアル靴を販売する3070のアマガサについて触れてみたい。 同社は継続的な売上の減少に伴い、毎年損益分岐点を行ったり来たりしている時価総額10億円以下の低位株だ。

 

 

本銘柄の魅力を聞かれると難しいのだが

・発行株数が超少ない【1,920千株】

・時価総額が低い【時価総額6.87億円】

・浮動株比率が低め【18.6%】

・浮動株が少ない【約35,700株】

・実は粗利率が年々上昇している【粗利率45%】

こんなところではなかろうか。

 

売れ筋商品などについて触れてないのは申し訳ないが、同社は市場に流通している株券の枚数が少ないことから、業績改善の兆しが見えると一気に仕手化すると予想される。 

 

 

では、3月20日に発表された19年1月期の損益計算書や粗利率のところから見ていきたい。

売上3年連続10%以上ダウン 販管費は横ばい~下げ

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ここ数年、売上は70億前半から毎年10%以上ダウンし続け、今期は50億前半にまで下がっている。販管費についてはリストラも進めてはいるようだが、小売店の出店費用等があり、17年1月期から19年1月期の3年間において2億円ほどしか削減できていない。

 

不振の原因は三本柱のうちの卸売事業と小売事業の売上減少だ。インターネット通販のEC事業は売上が堅調なものの、会社の屋台骨とはいえない売上、利益となっている。

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それぞれの営業利益率を見ると、

卸売事業:16.6%

小売事業:5.2%

EC事業:16.8%

 

小売事業の効率性が圧倒的に悪い。今期決算を締めた時点で38店舗あるが、昨年は33店舗だった。昨対で1店舗当たりの売上が2,000万円ほど減少している。営業利益も100万円下がっている。

19年1月期

38店舗 売上30.86億円 1店舗当たり売上8,000万円 営利800万円

18年1月期

33店舗 売上33.5億円 1店舗当たり売上1億円  営利896万円

 

店舗数については、期中の増減が多少はあれど、店舗数が増えているのに総額で3億円も売上が減少しているのは「人材育成ができていない」もしくは「商品自体に魅力がない(ニーズが変わってきている)」かのどちらかではないだろうか。

 

一方、粗利については年々上昇している。

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平成13年1月期には36.8%だったが、19年1月期は45%にまで改善された。仕入れ価格の安い海外からの輸入を増やしているようだが、ここ数年の円安傾向を感じさせない改善である。商社を介さず直接購入できるルートの開拓などを進めているようだ。

 

2020年1月期 増資が先か保有不動産の売却が先か

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結論から言うと、増資が先に来てほしい。市場で実施されている最近の資金調達スキームを見るとMSワラントが多くなっているが、時価総額と調達額をスワップさせる仕組みのため同社だと時価総額が足りない。資料にもあるように提携先(引受手)を見つける方が効果はありそうだ。しかし、それには創業者一族(株主)の了解が必要になる。現社長=創業社長でないため、所有と経営が分離している状態だ。果たして機動的に提携先が見つけられるかは創業者の決断もカギとなりそうである。

 

会社のB/Sを見ると現金が徐々に減少し、いまや4.3億円しか手元に現金がない。しかも年間の販管費は25億円(月2億円)はかかり、銀行には利息支払いを猶予してもらっている状況だ(ほぼ継続疑義)。CFに余裕がないといってよいだろう。。

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刻一刻と、バランスシートの資産がしぼんでいくなか、機動的に最も相応しい提携先(引受手)を見つけ、実質的には不動産を差し出すような形で一部株券を譲渡するしかないかもしれない。

 

保有不動産の魅力

上記でも触れたが、同社は不動産を所有している。20年1月期の経営戦略資料(財務面)には非事業資産の処分とある。この非事業資産とは、同社の保有不動産のことだろう。同社の沿革とB/Sを見ると、本社は自社ビルであることが分かる。"その他売上"のような項目がないことから、賃貸業は行ってないようだ。

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沿革には平成3年、そして平成12年、14年、21年と本社移転とともに、立て続けに自社ビルを購入、建築している。前社長でオーナーの天笠氏は所有欲が強かったようだ。※天笠氏は平成29年12月に経営不振の責任を取って退任している。

 

度重なる本社移転の間に、保有不動産を売却したりしているかどうかは調べていないが、18年1月期の有価証券報告書の「主要な設備」によると、本社機能含む5棟で土地で13億円、建物で11億円の簿価であることが分かった。土地面積も記載されおり1785㎡(540坪)とのことだ。固定資産の項目を見ると建物については16億円分計上されていることが分かる。残りの5億円は店舗関係の資産であることが分かる。

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そう考えると、同社が毎年8~10億円の長期借入金を期中で借りたり返済したりできるのも理解できる。赤字でも資金調達だけは何とか安定しているのは本社などの土地建物を担保に資金を調達しているからだろう。

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先ほどの財務面には「有利子負債を圧縮し、CFの改善を図る」とあるが、個人的には反対したい。営業改善の見込みがないまま、保有不動産を売却してしまうと、一時的にB/Sには現金が乗って借入が減り軽くなるが、担保がなくなり、同社の場合は徐々に資金調達が難しくなる恐れがある。また、事務所移転またはリースバックのいずれかにより、支払い家賃が発生し、P/Lへの影響はそれなりあるだろう。1年以内の長期借入金と長期借り入れを足すと22.8億円ほど借入れがある。

 

実勢価格は置いておいて、バランスシート簿価24億円>借入22.8億円なので、まだ何とかなる。これが簿価以上かつ実勢価格以上のファイナンス額となると、赤字基調の会社としては少し危険領域だ。

 

金利を払うか、家賃を払うかなのだが、結局どちらかの選択をするのであれば、いまは自社ビル保有のままの方がよいと思っている。個人的には増資で乗り切ってほしい。。

 

不動産の話になるとテゲレッドの本業が不動産業であるがゆえに、勝手に盛り上がってしまうのだが、本社は場所的にも「言問い通り」を超えた"浅草"なので、売却し、近辺で事務所を探すとしても家賃は決して高くはない。しかし、売却については今一番高値をつけるホテル用地にはならない場所なのでバカ高く売れるわけではないエリアだ。

 

土地建物の簿価が24億円程あるのだから、実勢価格が簿価同額以上としても営業改善の見込みがないまま売るのはやめたほうがよい気がする。グーグルで本社を見ると、なかなかのビルであることが分かる。 

 

今期は減価償却負担軽いが、固定費どうなる。 

同社は営業赤字‐1.56億円、特別損失6.41億円を計上し、純損失‐8.25億円となったが、この特別損失は店舗内装の資産計上分だ。また第4Qに一気に計上していることから19年1月期に退店した5店舗分だけでなく、現在も営業中の赤字店舗も含まれていると見込まれる。

 

これにより20年1月期は比較的短い期間の償却資産が少なくなるため、P/Lは多少作りやすくなったと思われる。ほんと多少だが。

 

特損を出しているわけだし、既存の小売店舗からはウルトラ一発大逆転のような奇跡は起きそうにない。見込みがないから特損なのである。

 

起きるとすれば、一点気になるポイントがある。

 

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19年1月期における出店7つのうち、5店舗がマルイであることだ。マルイはビジネスモデルを消化仕入契約から定期借家契約に変更していることが知られているが、これが同社にとってもメリットとなりうるのか。

 

違いを説明しだすと長くなるが、定期借家だと固定費負担が大きくなるが、固定費損益分岐後の利益が大きくなるのが特徴だ。出店テナントも首都圏が4つ、神戸1つなので、商品力と人材力があれば、既存の仕入消化契約の店舗よりもマルイ店舗の方が大きな利益が見込める可能性がありそうだ。

 

現金を減らしながら、固定費(地代家賃)が増える選択を実施する中で、決算説明補足資料の通り、増資か保有不動産の売却は免れないだろうが、マルイへの出店攻勢により会社の利益構造が変わりつつある。

 

投資家として、同社のリスクテイク(定期借家契約により固定費増、損益分岐後の利幅大)に付き合うなら、時価総額10億円を下回る銘柄であるがゆえに大きなリターンが得られるだろう。 

senken.co.jp