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株式投資と不動産屋の四方山話

3810 サイバーステップ 経営陣SOが結果的に株化上昇を妨げる

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前回ブログではサイバーステップ経営陣の売却理由に関して触れた。

 

www.tegered.work

 

今回はこのストックオプション(以下、「SO」)がもたらす功罪について触れてみたい。

 

 

現在のSOは最大何枚?

正確な枚数は分からないが、

①有価証券報告書

②経営陣の大量保有の変更報告書

の二つの視点から、おおむね推測できる。

①有価証券報告書

19期決算短信は出ているが、同社は有価証券報告書が8月末ごろにオープンになるので、更に1年前の情報になるが、18期有価証券報告書や決算短信のデータをまとめた。

 

2018年8月30日、有価証券報告書提出時(計算日は2018年7月31日)で保有しているSOは行使可能なSOで約159.8万株行使条件未達の第31回従業員向けSOを含めると約198.2万株だった。

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18期2018年5月31日の決算短信が提出されたときが発行株数611万株となっており、このうちMSワラント増加分が12万株含まれている。当時は100万株分増資する計画だったが、実際は株価下落により下限行使価格を割ったまま浮上できず70万株分の増資で中止となった。

 

2019年5月31日には、19期決算短信が発表され、発行株数が707万株となっていた。

 

そのため611万株に、19期のMSワラント増資分58万株を足した669万株が経営陣によるSO分を除く発行株数となる。

 

つまり19期中に行使されたSOは707万株-669万株=37.9万株となる。

 

今期(20期)残りのSOは、SO総数から37.9万株を引いた枚数となり、

行使可能なSOで約121.8万株未達SO込みで約160.3万株という計算だ

 

発行株数は現在行使可能なSO込みで828.9万株、未達のものも含めて868万株になる。

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行使期限についても第25回(行使期限令和7年8月20日)の7.82万株を除き、他は第20期中(113.98万株)に期限を迎える。

 

EPSなどファンダメンタルで同社を試算する際は、707万株だけではなく、828.9万株(希薄化17.2%)、もしくは第25回SO分の7.82万株を除く821万株(希薄化率16.1%)でも見ておくほうが良さそうだ。

 

ただ、払込総額で13億円を超える計算になる。果たして経営陣を中心にそれだけの資金力(繰り返し自社株を売買したとしても)があるかも疑問ではあるし、そうすると浮動株が50%超えてしまうのではないか。

 

②経営陣の大量保有の変更報告書

経営陣の変更報告書は佐藤氏、取締役の大和田氏、小川氏、そして創業メンバーの浅原氏の報告書がある。

 

簡単に纏めてみた。

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令和1年4月23日時点では、経営陣による行使可能なSOが112.2万株あったが、5月24日に佐藤氏により274,200株分のSO行使が行われた。払込価格は1,094円のため、第29回SO(100万株)の一部とみられる。

 

ほかの経営陣に関しては、SO行使などの変更がないため変更報告書が古いものもある。さきほどの行使可能なSOよりも変更報告書から類推する方がSOの総数が少ないのは、一部が従業員や監査役などにも配布されている分があるためだ。

 

第29回SO行使は8月末まで

7月22日には、小川氏が4.4万株、佐藤氏が23、24にかけて43万株を売却した。佐藤氏の売却価格、手残りについての推定は前回ブログで書いたので割愛するが、小川氏のを仮に1,280円で4.4万株捌いたとすると約5,600万円ほどが売却総額になる。

 

 

これに課税がされるが、この売却原資を第29回SO(払込額1,094円)に充当するのだと思われる。小川氏が保有するSOは185,000株あるが、第29回分は10万株くらいだろうか。すべて行使するには約1.1億円が必要だが、まだ売却があるのだろうか。それとも5万株程度の行使で済ませるのだろうか。

 

佐藤氏も先日の43万株の売却で原資4億円強を準備したようにもみえる。

 

先日の決算短信(5月31日計算)では707万株だったが、7月25日の変更報告書では710万株にもなっており、この2ヵ月弱でも数万株だがSO行使が進んでいる。

 

佐藤氏、小川氏のSO枚数に動きがないため、おそらく取締役の大和田氏あたりが変更報告書の提出が必要ない程度に行使し始めているのかもしれない。

 

また、佐藤氏、小川氏がそろって現物所有株を売却したのだから、8月末までに間違いなく第29回分のSOが行使されると私は見ている。

 

同社SOの功罪とワイの意見

同社は有償SOを利用することで巧みに資金調達を行ってきた。その機動的な調達の甲斐もありトレバ事業は成長のきっかけを得られたとも思うが「そのスキームの調達、少し多すぎやしないか」というのが私の持論である。

 

期初707万株から行使可能なSOがすべて行使されると828.9万株となり、14.6%の希薄化となる。

 

また佐藤氏に至っては、手元にいまは株券売却の現金があるとはいえ、変更報告書によれば、銀行借入が約4億円あり、その借入で一部株券を保有していることになっている。

 

現物株を売却し、それをSO行使の資金として会社へ入金。

 

会社に活力をもたらす姿勢は評価できなくはないが、いつまでも借金(しかも自社株券保有という使徒)を残したままなのは、上場企業として少しどうなのよ、という思いがある投資家も多いのではないだろうか。

 

ライツの後遺症とはいえ、自社株を保有目的とした借入は早期に返済すべきだ。

 

そして、本来SO行使し、会社へ入金しようと思っていた分は、会社で運転資金として4~5億円借りる方が事業としての効率性(ROEやEPSに影響)は高まるはずである。

 

トレバ事業は安定して売上を伸ばしており、4~5億円借りても月商倍率的にも問題はないし、景品代や運送費を、ほぼ現金で回しているのは非効率すぎる。

 

5億円を金利2%で借りても年間金利はせいぜい1,000万円。

 

トレバ事業で残しておかなければならなかった現金を投資に回せばよい。

 

金利分を別の投資(新規事業)で稼げないのであれば、その投資はやめたほうが良い。

 

経営陣が個人資産を突っ込んでいるようにみえて、その行使に必要な価格(時価総額)を支えているのは一般投資家である。

 

おかげさまで四季報によると発行株数679万株のデータ(4/30)で浮動株比率は40.8%で277万株程となっている(実際はもっとおおいだろう)。

 

5月31日時点では発行株数が707万株になっており、佐藤氏と小川氏が売却した47.4万株が市場に流れているのだから、浮動株は325万株は少なくともある。浮動株比率で45%に達する。

 

これでは株価は上がらない。

 

一方、投資家の中には喜ぶ人もいるのかもしれないが、買収されるリスクも大いにはらむ水準ではなかろうか。

 

まとめ

色々と書き連ねたが、簡単に数字だけ纏めて羅列する。純利益及びEPSを予測し、将来の時価総額を予想するデータとして利用してもらえれば幸いである。

5月31日時点の発行株数:約707万株

7月25日時点の浮動株予測:約325万株

現在行使可能なSO残:約121万株

未達のものを含むSO残:約160万株

変更報告書から調査可能な経営陣保有のSO残:84.8万株

行使可能なSO行使後の発行株数:828.9万株